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今回は、王選手と長島選手についての話をします。 ボールボーイに行ったのですが、巨人のフリーバッティングの手伝いを することになり、打撃投手にボールを投げる(渡す)役をしました。
(岸本先生に「お前が一番コントロールがいいから行け。」と言われて 行ったのですが、緊張して何回か、暴投を投げてしまいました。)
試合前のウォーミングアップでは、国松選手(その日は5番・一塁手;のちの 王監督時代の巨人軍ヘッドコーチ;さらに、プロ選手第1号の教え子、北野明仁君
がその時世話になったんですが、)から「君トス(英語ではペッパーという)の 相手を頼むよ。」と声をかけられ、相手をしました。
僕が投げた球をパシッと打つと必ずワンバウンドで僕の顔の所に帰って来る。 守備には自信があったのですが、グラブでボールをつかんだ時必ず押されて
しまうのです。しかし、その打球のコントロールが正確なので、危険なことは ありませんでした。トスってこうするものなんだと感心したのを覚えています。
国松選手は大柄な選手です。その国松選手がヒットを打って、一塁まで行くのに 実際は14〜16歩はかかるはずなのに、4〜5歩で行ったように見えたのは
何故でしょうか。 そんなプロ選手のすごさを実感できたほか、王選手と長島選手の違い (良い、悪いではありません。)に触れたことも印象に残りました。 というのは、みんなに頼まれたサインをお願いに行った際のことです。 まず、グラウンドにいた長島選手に「友達にサイン頼まれてきたんですが、 お願いできますか?」と聞いた時、たまたま新聞記者の人が、練習前の取材に きたのですが、長島さんは「取材だから、またね。」と一言、サインはもらえず。 次にベンチ裏で王選手を見つけ、同様に「サイン、お願いします。」と言うと、 やはり何人もの新聞記者がやってきたのですが、王選手は、取材陣に 「ちょっと待ってね。サインをしてからね。」と待たせておいて、みんなに 頼まれた、たくさんのサインを優先して書いてくれました。 のちに、長島選手は風呂はもちろん合宿所などでスッポンポンで歩くという話、 王選手はお風呂に入ったあと洗面器や椅子など他の人の分まで必ずきちんと 片付けて出るという有名な話を聞きましたが、まさに、豪放溌剌な発想の 天才長島選手、真面目で何事もきちんと実行する努力の王選手、それぞれの 個性を前述のサイン事件で直接体験したのでした。 僕自身は、王選手の方が好きですが、長島選手には長島選手の良さがある のですね。皆さんはどうでしょうか。 (追)次の日学校に帰ってみんなにサインを渡したのですが、今そのサインは どこでしょうか。ちなみに自分の分のサインはもらうのを忘れていました。 |